長文です。ご注意を。


・・・・北朝鮮問題に関する深い考察・・・・

日朝対話、拉致問題など進展なく終了
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051104-00000015-yom-pol
(yomiuri online 11/4)

日朝交渉、協議継続で合意 拉致問題は進展得られず
http://www.asahi.com/politics/update/1104/005.html
(asahi.com 11/4)

今までの対話と異なる点は、北朝鮮が『過去の清算』と言う文句を持ち出してきたことだ。

これには、大きな意味があると考える。

北朝鮮・韓国・中国(特定アジア)の言う『過去』とは、ほぼ事実ではない事が証明されつつあるのだが、それはまだ、どちらかと言うと表沙汰にはなっていない。
マスコミ(一部)のフィルターが抜かりなく施されている訳だが、ここで何の脈絡もなく、

「清算するような『過去』は存在しません」

と表明するのは、戦略的に優れているとは言えない。
現在進行形の拉致問題とは異なり、最早、既成事実として存在してしまった以上は、それを前提とした戦略が絶対的に必要だ。

現在、日本政府は、その『過去』の政府見解を改める動きを見せている。
直ぐに浸透するとは思えないが、それでも先ずは、日本の弱点、『被攻撃要素』を排除することは無駄ではない。

『被攻撃要素』が無くなりつつある現状。北朝鮮にとっては非常に思わしく無い状況だろう。
その状況に対して、どうしても楔を打ち込む必要があったのではないだろうか。

これまでの対話では、『国交正常化』を拉致問題解決の前提条件にしていた。もしくは、拉致問題自体『解決済み』だと、正面から取り組むことは無かった。

ここへきて、北朝鮮にとって『国交正常化』は最重要事項ではなくなったと言うことだろう。これは日本にとって、どちらかと言うと都合が良い話だ。『国交正常化』自体は、日本にとって何らメリットの無い話であったし、何より、北朝鮮が主導権を握り続けることができる。それが実現すれば拉致問題は、永らく解決不能となる。

逆に、『過去の清算』とは。
これは日本が主導権を握ったと見て良い。

ご存知の通り、第三次改造内閣は、特定アジアにとっては『タカ派』である人物が名を連ねる。今回の内閣布陣は、間違いなく特定アジアに圧力となり得る。
今回の日朝対話の日程が決定したのは先月24日。そして、11月2日発表だった内閣改造の、先月31日への前倒しが発表されたのは同月28日だった。

1年ぶりに日朝対話を再開した理由はなんだったのか?

北朝鮮にとって日朝対話のメリットはまるで無い。
むしろデメリットの方が大きい筈だった。

拉致問題解決の為とは言え、日本が単独で支援を行う可能性は限りなく低い。
しかし北朝鮮が、『拉致問題解決の為の支援』を提案してきた場合、日本の世論は一気に、経済制裁の発動賛成に傾く可能性が高い。
そして、今回提案された『過去の清算』というのは、”拉致問題解決の為の支援”という発想に限りなく近い。
直接的に『支援』と言う言葉を使えない立場にある北朝鮮は、今回『過去の清算』と言う文句を用いたと考えられる。

国連、WFP主導で行われる長期的支援は、工作活動を嫌ったのか、北朝鮮から既に中止要請を発している。
工作活動を心配することのない、日本の支援を取り付けられる可能性が少しでもあれば、北朝鮮にとって今回の対話は、それだけ『渡る価値のある橋』なのだろう。

『渡るしかない橋』なのかもしれない。
対話を断ることはできなかった筈だ。断れば、新内閣による経済制裁発動。確実とは言えないが、これは可能性が高かったのではないだろうか。

例えフィルターが抜かりなく施されたマスコミを介してでさえ、ここへきて受ける北朝鮮側の印象は、間違いなくトーンダウンしている。
それが演出なのかどうなのか。そこまでは観察力不足により判断しかねるが、北朝鮮は、核問題、拉致問題、様々な懸案と共に追い詰められていると、そう見るのはいささか考えすぎであろうか。

・・・・・・・・・・・・・

参考
日朝対話 来月2日軸に調整 「6カ国」は8日再開も
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051025-00000001-san-pol
(産経新聞 10/25)

<内閣改造>31日午後に実施 小泉首相方針
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051028-00000059-mai-pol
(毎日新聞 10/28)

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